うつ病は、わかりやすく言うと「ウツ気分」が主な症状です。
元気がなくなって、やる気がなくなり、ふさぎ込んでしまいます。
また、眠れなくなることや、食欲がなくなることもあります。
他にも症状はありますが、ウツ気分、睡眠、食欲の3点が、うつ病の主な症状です。
この3つの症状は病気でなくてもよくあるものですが、
2~3日程度の短期間ではなく、
ある程度の期間(2週間以上)続くようなら、病気としての「うつ病」が疑われます。
ところが、中には半年、1年、2年と長引く患者もいます。
この場合は、別途、特別な対処が必要になってきます。
うつ病の原因に対する考え方は、「諸説あり」です。
五月病や、「空の巣症候群」、「昇進ウツ」などのように、
世間ではいろいろと名前がつけられていますが、
医学的な診断は、また別のようです。
明確な原因があって発症するものは、
うつ病というよりも、
適応障害などのジャンルに分類される場合もあります。
いずれにせよ、うつ病は発病してしまえば、
原因を取り除いても治癒しない病気ですから、
あまり原因にこだわりすぎても利益はないと思います。
回復が進み、復職や復学を考えるときまでは、
原因についてはあまり考えすぎないほうが良いでしょう。
うつ病は、ある面では「気分の病気」なので、
自殺にさえ気をつけていれば、
本人の気分が苦しいだけとも言えます。
しかし、「気分が落ち込む」ということが度を超えて、
仕事や学校に行けなくなったり家事ができなくなったりすると、
治療の対象となってきます。
うつ病の治療には、
薬物療法、精神療法、環境調整の3つがあります。
薬物療法は、抗うつ薬などを服用するもので、
心療内科や精神科の医師が行います。
精神療法は、患者の話をじっくりと聞くことで
考えを整理させ、心を落ち着かせていくもので、
病院受診時の医師が行う「支持的精神療法」が主です。
臨床心理士などのカウンセリングもありますが、
金銭的な負担も大きく、利用は難しい状況です。
環境調整は、休暇の取得、配置転換などの仕事に関することや、
休学、転校などの学校に関すること、
入院、引っ越しなどに関することなどについて、
病状に応じた適切な形態に調整を行います。
うつ病患者の多くは、
医療機関を受診して適切な治療を受けることで、
1~6ヶ月程度で、問題ない程度に病状が改善し、
職場や学校に復帰していきます。
ところが、中には半年、1年、2年と長引く患者もいます。
この場合は、別途、特別な対処が必要になってきます。